ライフネット生命の創業者の一人である出口治明さんは、70歳を超えた今も、APU(立命館アジア太平洋大学)の学長を務めて、活躍されています。
今回は、出口さんの著書『還暦からの底力』を読んで、人生をどういきるかを学んだことをお伝えしようと思います。
1.高齢になったら、”次世代のため”に働く
何歳まで働くべきなのか。これはよくある問いかけです。しかし人間は動物ですから、「何歳まで働く」とあらかじめ決めていくおくのは全くもってナンセンスです。動物と同じように、朝起きて元気だったらそのまま仕事に行けばいいし、しんどくなったら仕事を辞めればいいだけの話です。
「還暦からの底力」:出口治明
私自身、いつまで働くのかという考え方を持っていたので、この文章をみてイメージがガラッと変わりました。
考えてみれば、動けるうちは働く。動物として生きているのであれば、それは道理とも言えます。
現在の能力と威力、体力に応じてそれにふさわしい仕事をすることが出来れば、それでいいのですね。
何歳になってもずっと働くと思えば、「お金をいくら貯めるのか?」という考え方にも縛られなくなります。
生きているうちは食べる分だけ働ければいいのです。
社会保障の在り方を変える
出口さんは老人の雇用は社会保障の面としてもプラスの影響があると捉えており、非常に気づきとなります。
現在の日本では、若者が高齢者の面倒を見る、「ヤング・サポーティング・オールド」という状態です。
しかし、今後の社会は、年齢に関係なく社会を構成しているみんなが応分を負担して、本当に困っている人に給付する、「オール・サポーティング・オール」に変更すべきだと言います。
(人間は何のためにいきているのか)何をすればいいのかと言えば、僕は「世界経営計画のサブシステムを担う」ことだと思います。
(中略)
一人ひとりの人間にできることは「サブシステム」を担うことです。つまり自分がいまのポジションで担える部分を受け持ち、世界をよりよく変えるために貢献していくしかありません。
「還暦からの底力」:出口治明
「世界経営計画」は出口さんの造語ですが、「自分の周囲の世界を、より生きやすいように変えたいという思いを持っているということ」です。
高齢者になっても社会の一員として、世の中をよくすることのために働けたら最高ですね。
2.「仕事が生きがい」という考え方が、自分をなくす
日本の社会で老後の孤独が問題になるのは、問題設定自体がおかしく、一括採用、終身雇用、年功序列、定年という高度経済成長期の人口増加を前提としたガラパゴス的なワンセットの労働慣行こそが老後の孤独を招いているのです。
「還暦からの底力」:出口治明
みんなが同じ生き方をして、定年で働くだけ働いて、仕事がなくなったら燃え尽き、気づいたら何もやることがない状況になっているというのです。
仕事をしている時にも、仕事だけでなく、たくさんの人に会い、たくさんの本を読み、いろんなところに出かけて行って刺激を受けることが重要です。
人間の幸福にとって大事なことは、食べて寝て遊んで子供を育て、好きな所へ行き、いいたいことを言えることです。では誰と食べ、誰と遊ぶのか、つまりパートナーや友人が人生では一番大切だと僕は思うのです。
「還暦からの底力」:出口治明
3.自分の投資は、学び続けること
人生において教養はなぜ重要か、という問いにも答えておきましょう。一番簡単な答えは、教養がある人は、教養がない人に比べて豊かで楽しい人生をおくれるからです。
教養を身に着けるためのヒントもいくつか出てきます。
「教養=知識×考える力」と捉えていて、文献や経験によって知識を身に着けることも大切であるが、自ら考察して考える力を得ていくことの重要性も説いています。
「人・本・旅」を通じて、たくさんの人に会い、たくさんの本を読む、たくさんいろんな現場に出かけていき、たくさんの出会いをつくることです。
今日のまとめ
自分がどう働いていくべきかと漠然と考えていたこともあり、この本から学ぶことは多くありました。
シンプルに働き続けられるだけ働く。そう考えると意外と気持ちがラクになります。
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