読書

「経済評論家の父から息子への手紙」を読んで、共感した3つのこと

わかりやすくかつストレートな発言が好評だった経済評論家の山崎元さんが、2024年1月1日に亡くなりました。

山崎さんが自身の息子へ伝えたかったことが一冊の本としてまとめられました。山崎さんが子供たちに何を伝えたかったのかが非常に気になっていました。

今回は、その書籍「経済評論家の父から息子への手紙」を読んで、特に共感したことを書きました。

1.昭和生まれの働き方を脱せよ

昭和の働き方は、割が悪い

旧来型の働き方では、成功してもより高い給与・ボーナスという形で”時間を売っている”にすぎないと言います。つまり、これまでのサラリーマンは、出世して、自分の労働時間の単価を上げて、長く勤めて、より大きなお金を手にしようとしていたのです。

古い働き方常識に従うと、大いに不自由な職業人生を送り、小さな確率で成功するものの、成功しても大金持ちに慣れない。つまらない。割が悪いからやめておけ。

『経済評論家の父から息子への手紙』p17

マインドセット

これからの時代で大切なこととして、
①株式性の報酬と上手く関わること、
②適度なリスクをとること、
②他人とは異なることを恐れずにむしろそのために工夫すること
を挙げている。

目指すべきポジション

これまでのサラリーマン(左下)は、リスク回避的なので、資本主義社会においてはどうしても搾取されがちだということです。

狙い筋A(右上)のコースは、「自分で起業する」「起業の初期に参加する」「ストックオプションをたくさんもらえる条件で働く」などで、株式性のリターンを求めること。

狙い筋B(左上)のコースは、個人投資家になっていく選択肢を持つことです。

率直に言って、いかにも「チキンな(臆病な)」選択だ。狙い筋Aの人生よりも退屈だし、経済力を作るまでにはひどく時間がかかる。それでも、何もしないよりは随分いい。

『経済評論家の父から息子への手紙』p113

2.シンプルな投資方法に徹する

山崎さんはシンプルな投資方法を推奨しています。

①生活費の3~6ヵ月分を銀行の普通預金に取り分ける。残りを「運用資金」とする。

②運用資金は「全世界株式のインデックスファンド」に投資する。

③運用資金に回せるお金が増えたら同じものに追加投資する。お金が必要な事態が生じだら、必要な分だけ部分解約してお金を使う。

全世界株式のインデックスファンドとは、通称「オルカン」こと「eMAXIS Slim 全世界株式」のことです。選択理由は、有利な形で分散投資されていて、運用の手数料が安いからです。

長期投資でじっと待つ

「長期的にはリスクに見合うリターンが期待できるのだろう」と「いつがいい時なのかはわからない」とを論理的に組み合わせると、「自分に適切なリスクの大きさだけを投資して、じっとしている」ことが最善の答えになる。運用期間がながくても短くても結論は同じだ。論理を信じて売り買いしたいという衝動を押さえよ。

『経済評論家の父から息子への手紙』p67

また、株式投資は、働かないで稼ぐことはでないことも覚えておきましょう。
あくまで、株式投資は自分のお金を資本として提供して「働かせること」であり、この際にリスクを負担しています。

3.資本主義経済の本質は何かを認識しよう

資本主義の構造

あらかじめ結論を言っておくと、資本主義経済は、リスクをとりたくない人間から、リスクを取ってもいい人間が利益を吸い上げるようにできている。
(中略)

そして、利益を吸い上げる際に介在するのが「資本」であり、資本に参加する手段が現代では「株式」だ。一度スッキリわかっておくと、働く上でも、投資をする上でも、見通しが良くなるはずだ。

『経済評論家の父から息子への手紙』p55

リスクを取りたくない労働者(=サラリーマン)が安い賃金で使われてしまう。

だからこそ、「労働者A」のみになることを全力で回避する必要があると主張しています。

4.その他の金言

自分が投資するものは、時間・努力・お金の3つだ。そして、投資で得ようとする対象は、①知識、②スキル、③経験、④人間関係、⑤時間である

経済評論家の父から息子への手紙』p55

・お金はシンプルに管理して、おおらかにつかう(p108)
・小さくても副業のチャンスを逃すな(p139)

・複数の場を意識的に持て(p161)

「自分の嬉しいこと」を言語化する

思うに、幸福は、人生の全体を評価・採点して通算成績に対して感じるようなものではなくて、日常の折々に感じるものだ。「振り返ってみて、幸福だった(不幸だった)」という考え方・感じ方には前向きな意味がない。「サンクコスト」なのだから当然だな。

日常の一日一日、一時一時を大切にしよう。幸福感は「その時に感じるもの」だ。

そして、自分にとって、どのようなことが嬉しくて幸福に感じるのかに気づくといい。できたら、それを言語化しておこう。

経済評論家の父から息子への手紙』p164

モテの秘訣

仮説に過ぎないが、モテる男になるためのコツを述べておく。

それは、心から興味を示しながら、相手の話を熱心に聞くことだ。ひたすら聞くのだ。これが肝心だし、これだけでいいのかもしれない。自分から行う自分語りは一切いらない。自分について語ろうとすると、どこかに自慢やアピールが混じる。やめておけ。

経済評論家の父から息子への手紙』p166

・モテない男は幸せそうに見えない(p154)
・モテる男になれ。友達を大切にせよ。上機嫌で暮らせ!(p167)

今日のまとめ

山崎さんがこれまで伝えてきた内容をまとめたもので、非常に読みごたえがある本でした。

お金の面だけでなく、病にかかり、死が迫っていく中で最後までどう生きるかを率直に言葉にしてくれていた部分が、示唆に富んでいました。

幸福感は一時のもので、「人生は通算成績で計るものではない」ということです。「本人」は、最後まで幸福感を感じることができます。一方、「通算成績」を最後の最後までもっていくことはできない。

つまり、幸福のための努力は最後までできる。しかし、通算成績は「他人」にしか見えないし、これを持っていくことはできません。

経済評論家の父から息子への手紙』p188

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「経済評論家の父が息子に伝えた、お金の稼ぎ方・増やし方とは?」

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