よく参加している読書会で、「マンキュー入門経済学」が定期的に読む課題図書になったので、経済学を改めて学ぶ機会として参加しています。
この本は、ハーバード大学、シカゴ大学のグローバルエリート候補生もテキストとして学んでおり、「いま世界で一番読まれている、経済学の入門テキスト」と言われています。
世界的にも支持されているように、内容は非常にわかりやすく、理解しやすいものとなっています。
今回は、本を読みながら感じたこと、読書会を通じて考えたことをまとめていければと思います。
経済学を学ぶ理由
本書に、経済学を学ぶ理由として3つのことが挙げられています。
1.自分が暮らしている世界を理解するのに役立つため
2.経済へのより機敏な参加者になるため
3.経済政策の可能性と限界をよりよく理解できるようになるため
経済学とは世の中を単純にモデル化することによって本質をとらえることに他なりません。実世界についての理解がより深まっていきます。
そして、目の前のミクロ的な話だけでなく、経済政策といったマクロ的なことにについても視野が広がります。
経済学の十大原理
経済学とは、社会が希少な資源をいかに管理するかを研究する学問である。
(中略)
人々がどのように意思決定をするのか。人々がどのように影響しあうのかを研究する。
出典:「マンキュー入門経済学」
この本の特徴として、この十大原理を冒頭で挙げています。
第1原理:人々はトレードオフ(相反する関係)に直面している
自分の好きな何かをるために、たいてい別の何か好きなものをあきらめなければならない。意思決定とは、一つの目標と別の目標とのトレードオフを意味する。
社会は、効率性と公共との間のトレードオフにも直面している。
第2原理:あるものの費用は、それを得るために放棄したものの価値である
あるもののを獲得するために放棄したものを、そのものの機会費用と呼ぶ。
第3原理:合理的な人々は限界原理について基づいて考える
既存のプランに治して微調整を加えることを、限界的な変化と呼ぶ。
(中略)
合理的な人々は、限界的な便益と限界的な費用とを比較することで選択していることが多い。
第4原理:人々はさまざまなインセンティブ(誘因)に反応する
インセンティブ(誘因)とは、懲罰や報酬のように、人々に何らからの行動を促す要因のこと。
第5原理:交易(取引)はすべての人々をより豊かにする
交易は、人々が各自の得意分野の専門家になることを可能にする。他の人々と取引することにより、はるかに多様な財・サービスをより安く買えるようになる。
第6原理:通常、市場は経済活動を組織する良策である
市場経済においては、中央の計画策定者による意思決定は、何百万もの企業の家計の意思決定によって代替されている。
第7原理:政府が市場のもたらす成果を改善できることもある
政府を必要とするのは、市場経済にとって重要な制度を政府が維持し、かつルールの番人となっていることが必要だからである。
第8原理:一国の生活水準は、財・サービスの生産能力に依存している
生活水準の格差や変化のほとんどは、各国の生産性の相違によって説明できる。
第9原理:政府が紙幣を印刷しすぎると、物価が上昇する
大幅で持続的なインフレのほとんどは、貨幣供給量の増大が原因である。
第10原理:社会は、インフレと失業の短期トレードオフに直面している
経済全体において、インフレと失業との短期的トレードオフにある。
最近時(2019年~2022年)のアメリカの物価指数と失業率の関係を見ると、物価の上昇と共に失業率が下がった様子がよくわかります。
短期的に見た場合、そこまでのトレードオフが見られないような気がします。
今日のまとめ
マンキューの入門経済学は定例読書会の課題であったことをきっかけに読み始めました。
現実社会をどう捉える「ものさし」として、経済学の知識は身につけておきたいものです。