みなさんは、コミニュケーション不足を感じていることはないですか?
そんな際に使うのは、1対1の面談を仕組みにした「1on1」です。
最近はヤフーやクックパッドなど導入事例も多いです。
今回は、ヤフーでの仕掛け人でもある本間浩輔さんの書いた「ヤフーの1on1」などを参考に、「1on1」を有効に使う方法をまとめてみました。
目次
1on1

1on1とは、マネージャーとメンバーが定期的に行う、1対1の対話によるマネジメント手法です。
大事なことは、部下のための時間であり、主役は部下であることを意識することです。
問題課題を抱える相手(部下)に焦点を当てることが重要です。
また、対話により、部下の行動と学習を促進できるようになる場でもあります。
1on1の効果
1on1の効果は、部下側・上司側ともにいろいろあります。
その前提として、日常のコミュケーション、信頼関係を構築することが必要です。
コミニュケーションをとるきっかけになる
まずは、「コミュニケーションをとるきっかけになる」ことが挙げられます。
業務が忙しくてなかなかゆっくりと話す時間がないことも多いです。
普段コミニュケーションを取らない部下とは、意外と1対1で話す機会がない人もいます。
そんな中でも、制度として部下と向き合う時間を取れるのは、いいことだと思います。
無理やりでも話す機会があることで、関係性を築くきっかけになります。
相談や評価をタイムリーに受けることができる(部下の視点)
業務についての相談の場になり、タイムリーに途中経過を知ることができる。
ヤフーでは「ラップタイムを測る」というそうです。
自分一人でできない仕事の時は、相談を積極的にする機会ともなるでしょう。
部下の情報を得ることができる(上司の視点)
部下についての有益な情報を蓄積していけば、上司のマネジメントがうまくいく確率はあがります。
せっかくなら、部下の「声にならない声」を聞きましょう。
「なんかない?」と聞くだけでも、聞くことがなかった情報を得られることがあります。
1on1の実施プロセス
1on1の実施にはプロセスがあります。
面談は、「①振り返りとテーマ設定」→「②話を聞く」→「③学習と行動を促す」→「④励ましとサポート」という4つのステップで構成されています。
①振り返りとテーマ設定
・雑談など気軽な会話から始める。安心・安全な対話の雰囲気を醸成すること。
「最近忙しいの?」「体調を大丈夫」など体調を気づかう。感謝を示す。
・前回決めた行動を振り返る
・今回のテーマを決める
②話を聞く
③学習と行動を促す
④励ましとサポート
経験学習サイクル

1on1が部下の成長をサポートするものであるならば、成長するイメージ過程をちゃんと持つといいと思います。
これは、ゴルブ教授の「経験学習サイクル」として知られるものです。
人が経験から学ぶ時には、「具体的経験→内省(振り返る)→概念化(持論化、教訓)→実験(試行」というサイクルをたどります。
中でも、成長のためには、経験を「振り返る」ことが大切です。
その際に、一人で行うことが「内省」ですが、1on1を通じて「対話」を行うことで、部下の成長をサポートすることにつながるのです。
このサイクルを何回も回転させることで、学びや成長につなげていきます。
以前、「一分で話せ」の著者・伊藤羊一さんが講演で、「内省と対話で振り返ることが出来ている人は成長する。」と力説していたのを思い出しました。
参考>>>Lead the self(自らを導け)!「1分で話せ」の伊藤羊一さんの講演はとにかくアツかった!!
個人的には、1on1がこの「経験成長サイクル」の振り返りをサポートするものだという考え方は、とても好きです。
3つの働きかけ

上の図は、関係を深めるための3つの働きかけです。
一口に聞き方や伝え方と言っても色んなやり方があるので、タイミングにあったやり方を選択しましょう。
コーチング
対話を通じて、相手の考えや気づきを引き出すことです。
「1on1」では特に重要となるやり方です。
部下の考えや気持ちの整理とその理解ができます。また、部下の主体的な行動の促進につながっていきます。
上司が行うことは、部下に答えを示すことでなく、部下が自力で答えを見つけるためのサポートです。
ティーチング
相手の知らない知識ややり方を教えたり、支持することです。
部下の迅速な問題解決には役立ちますし、知識の習得にはつながります。
フィードバック
相手が現実と向き合う機会を提供したり、要望することです。
第三者的視点から、部下の気づきや学ぶを促進することにつながります。
マイナス面だけにスポットを当てるのではなく、出来てることを伝えることが大事。
フィードバックとは、耳の痛いことを部下にしっかり伝え、彼らの成長を立てなおすこと
出典:「フィードバック入門」:中原淳
有効な3つのコーチングスキル
傾聴
アクティブリスニングなどとも呼ばれるもので、ペーシングやミラーリング、オウム返し・言い換えなどの方法を取ります。
相手が話しやすい雰囲気作ったり、共感するような聞き方をすることが大切です。
質問
認知
認知とは、レコグニションとも言われ、「相手が存在することを認める」という意味です。
「無条件の肯定的な配慮」をもち、部下の考え方や感情のすべてを受け入れていくことが大切です。
『Iメッセージ』で伝えることが効果的。つまり、「私はこう感じました」というメッセージにすること。
この伝え方の方が、「あなたはこうだよね」と言われるよりも、相手からすると、素直に受け取りやすいのです。
こんな言葉を投げかけるといい
今日は何を話そうか
「1on1は部下のために行う」を理解して、「今日は何を話そうか」という問いを初めに聞くことを習慣すると、部下があらかじめ話すテーマを探しておくことになります。
「この30分でどんなことが明らかになるといいかな」などの問いもあります。
部下が自分自身の問いを探すことになり、部下が主体的に取り組み、より充実した時間を過ごせます。
もう少し詳しく話を聞かせてください
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部下にちゃんと話してもらうことが大事です。そのためにも共感して、話しやすい雰囲気をつくりだすことが必要。
上の図は、ベストセラーになった「人は話し方が9割」で出ていた聞き上手の方の拡張話法です。
1on1でも参考になる部分は、かなりあると思います。
なるほど
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これも「人は話し方が9割」で出ていた拡張話法の言葉のストックです。
相手が話しやすくするためにも、ちゃんと聞く姿勢をもち、言葉として返すこと。
共感してもらったり、理解してくれているとわかれば、より関係性は深まっていくでしょう。
1on1 は、事前準備でもっとよくなる
これは、女性の働き方をサポートしている小田木朝子さんのYouTubeです。
この中でも、「上司とメンバーの1on1のイメージあわせをすること」が大事と説いています。
以下は、動画の概要をまとめたものですが、部下側からの視点での気づきがあります。
1on1とは、メンバーのための時間です。では、メンバーの「何のため」に使う時間のか?
それは、「キャリア構築と成長支援」です。
部下は起こったことを振り返りたいし、直面している難しい案件について相談したいのです。
それを上司が適切にサポートすることで、メンバーの成長につながるのです。
部下側では、上司がうまく1on1をリードしてくれないとの悩みもあるかもしれません。
そんな時は、どうすればもっと良い時間となるかを考えてみましょう。
1on1は特別な時間だと捉えがちですが、「ミーティングの一つの形」と定義してみましょう。
ミーティングであれば、事前準備が大事。
相手と期待を共有することで、もっと有意義な時間になります。
疑問点を解決しよう
何を話せばいいのか
部下と何を話せばいいか悩む方もいるかと思います。
そんな時は、ぜひ上司側からこういう話題を聞かせてとテーマを決めてあげるといいです。
部下の行動を肯定的に受け入れる
ネガティブに言われた時に、「肯定的に受け入れる」ことを意識する。
自分の価値観と違っても、肯定的に受け入れる。
普段のコミニュケーションとどう違うか
雑談と変わらないケースもあるが、1on1ではより深いコミニュケーションがとれる。
テーマや目的をもって取り組むといいのではないか。
部下に期待と要望を伝える
コミニュケーションの要諦は、「自分の意図が相手に伝わって、相手が意図に沿って動いてくれること」です。
時間を取って話をするのであれば、最終的にはチームとしてどうありたいかを伝えることが大切です。
今日のまとめ
1on1の意義について学び、よりよい活用法をまとめてみました。
色々なテクニカルな部分もありましたが、「部下の成長」のためにやるんだという思いが大切だと感じています。
みなさんの1on1がよりいい時間になり、信頼関係が深まっていくきっかけになればと嬉しいです。