中小企業診断士になるために一生懸命に勉強して資格を取るまではいいですが、意外とその後でも費用負担があるものです。
私は診断士の有資格者ですが、最近5年目の更新登録をしました。
今回は、中小企業診断士の資格を維持するための①コスト負担、②更新登録手続きについてをまとめました。今までの経験から率直なところをお伝えしたいしようと思います。
診断士の取得を目指す方や、合格してからまだ更新されていない方に参考にしてもらえば幸いです。
目次
中小企業診断士の資格維持費にはどれくらいかかる?
資格にはいったん取れば一生名乗り続けられるものもあれば、個人のスキル維持のために更新などが必要な資格もあります。
中小企業診断士は、他の士業と同じく更新が必要な資格であり、5年間で更新登録が必要となります。
【結論】最も安くすませても、5年間で30,000円かかります。
結論から申し上げると、5年間で3万円は最低かかります。
内訳は「理論政策更新研修」6000円×5回=30,000円となっています。
これはあくまで、最低限の費用です。どんなに優秀なコンサルタントであっても、理論研修は受ける必要があります。
しかし、条件によってはさらに費用がかかるケースもあります。
診断士の更新登録の2つの要件
まずは、更新登録に必要な要件を見ていきましょう。
診断士の登録は5年ごとの更新が必要となっており、そのためには5年間の有効期間内に2つの要件を満たす必要があります。
1.理論政策更新研修 (5年間で5回以上)
2.経営診断の実務 (5年間で30点以上)
簡単に言うと、座学と現場実践がもとめられているのです。詳しく見ていきます。
1.理論政策更新研修 (5年間で5回以上)
都道府県毎の「中小企業診断協会」で受講するのが一般的
5年間で5回以上の受講が必須となります。これが冒頭でお伝えした最低限の費用の部分ですね。
「中小企業診断協会」にて実施されている研修が主ですが、必ずしも研修を受けるのに「診断士協会」に入る必要はありません。
参考リンク>>全国の「理論政策更新研修」日程照会
診断協会の理論政策更新研修は、200~300人の大規模研修が多く、講師が一方的にただしゃべるような印象があります。(もちろんすべてではないかもしれません)
かつての大学の講義をイメージされるといいと思いますが、退屈な内容を教授がしゃべっていたのと同様に、あまり楽しい感じはしません。
その内容にもかかわらず、受講中のパソコンやスマホの利用が禁止されています。もちろん睡眠学習(!?)も厳禁となっています。
診断士協会以外の少人数の研修もあります。
診断士協会が提供する研修以外にも、診断士の更新要件として認められている研修は数多くあります。
そちらは、少人数制で双方向に学ぶ場となっていることが多く、学びも深い印象があります。
例えば、東京地区であれば、大塚商会がやっているものや、名古屋地区であれば「タスクール」という会社が提供している研修があります。
参考リンク>>>大塚商会による中小企業診断士のための理論政策更新研修
どちらも受講生に好評であり、そちらの受講に切り替える方も多くいます。
コロナの影響で、特例的に「リモート研修」も可能になってます。
研修は、出向いて受講する形式が主でしたが、コロナの影響もあり特例的に「リモート研修」も行われています。
中小企業庁では今般の新型コロナウイルスの影響に鑑み、リモートネットワークによる理論政策更新研修の導入を、令和2年10月末までの時限的措置として認めておりましたが、このたび令和3年3月末までに期間が延長されました。
https://www.j-smeca.jp/contents/006_c_about_koushinriron/riron20201016.html
自宅等で受けられる「リモート研修」が出来ることによって、かなりメリットがあると言えます。
〇研修の選択肢が格段に増える
→ 場所、時間ともに選択肢が増えますので、更新期限ぎりぎりでも短期間でまとめて受講することが可能です。
参考リンク>>>リモートネットワーク研修の事業者一覧(中小企業庁)
〇費用の負担が減る
→ 6,000円の受講料に加え、交通費もかかってきます。とくに、地方在住の場合、自分が学びたい研修を受講するとなると、東京などの交通費がもちろんかかってきます。そうすると、研修費以上に負担がかかるのは明らかですね。
2.経営診断の実務 (5年間で30点以上)
中小企業に対する経営診断(経営課題の相談、助言)の実務を1日当たり1ポイントで30ポイントが必要となります。
実務経験をする場があれば、費用はゼロですみますが、実務研修を受けるとかなりコストがかかります。
実務経験がそのままポイントとなります
実務で経営の支援をおこなう方は、実務経験がそのままポイントとして申請することができます。
勤務先に記入してもらう業務実績証明書(様式18)で申請すれば、費用面の負担はなくなります。
また、実際に診断士として活動されていること自体も、ポイントとして申請できます。
自分自身のツテがない場合には、周りの診断士仲間と相談すると協力を得られると思います。
都道府県毎の「中小企業診断士協会」で診断の場を提供しています
なかなか実務の経験を得られないという方は、「中小企業診断士協会」が提供する実務研修を受けることもできます。
しかし、実務研修を受けるには、理論政策更新研修と違い、各都道府県の「中小企業診断士協会」への入会が必要となります。
また、実務研修費は1回2~5万円程度かかるため費用負担もかなりあると言えます。
5年目で1回目の「更新登録」をしました
私自身の初めての更新登録の時期になりましたので、手続きをしました。
申請は登録の有効期間の満了日の約1か月前から満了日までできます。
更新時期を忘れないようにちゃんと記録しておきましょう。
必要書類
(1) | 中小企業診断士登録申請書(様式第1、原本) |
(2) | 専門知識補充要件の証明書等(5回分以上、原本) |
(3) | 実務要件の実績証明書(30日分以上、原本) |
(4) | 中小企業診断士登録証(原本) |
ペライチの登録申請を記入して、研修・実務の証明書を添付します。また、中小企業診断士登録証(カード)の現物も忘れずにつけてください。
郵送の際は、簡易書留等の配達状況が確認できる方法により送付したほうがいいです。(郵便局に行く時間がない方は、コンビニのレターパックなども可)
申請したら、1ヵ月ほどで更新された新しい登録証が送られてきます。
今日のまとめ
中小企業診断の資格維持の費用について、自分の体験も踏まえてまとめてみました。
5年間は長いようで短いので、計画的に研修等を受けて行かないと最後にポイントが足りないことに気づくようになります。
せっかく受けるのであれば、自分のスキルを伸ばしたり、楽しく知識を得られる場に出来るといいですね。