現代史を見ていく上では、大国の関係が重要となっています。
第二次大戦以降は、米ソ対立がずっと中心でしたが、冷戦終了後の近年では、米中関係に注目が集まっています。
今回は、大国となった中国の近代史を中心をまとめてました。
目次
習近平が語る”中国の夢”とは
国家主席の習近平は、2013年にスピーチの中で、中国民族の偉大な復興という『中国の夢』を語っている。
また、中華人民共和国の建国100年を迎える49年までには、「総合的な国力と国際影響力という点で、世界をリードする」国にしたい考えを強くもっているようだ。
「中国の夢」は「中華民族の偉大なる復興」と「一帯一路」、二つの要素から構成されている。
かつて東は中国から西はローマ帝国に及ぶ広大なシルクロードを勢力下に置き、(明の)鄭和の艦隊がアフリカの角にまで進出して文化や経済と科学技術をリードした中国の栄光を取り戻す」という意が込められている。
Wikipedia「中国の夢」
中国の野望① 東シナ海を自分のものにする
尖閣諸島の問題
1895年1月に明治政府は、尖閣諸島に他国が支配を及ぼしていないことを慎重に確認の上、尖閣諸島を沖縄県所轄とし、正式に領土に編入しています。
中国が尖閣諸島を自分のモノにしたい理由は、大きく2つです。
一つ目は、豊富な資源を確保すること。
尖閣諸島の周辺海域は、様々な魚が取れる漁場であることは知られていますが、さらに石油・天然ガスなどの海底資産の存在する可能性もあります。
二つ目は、アメリカの接近を防ぐことです。
中国の狙いは、アメリカの軍隊が来ないようにさせたいためだと言われています。
そうすることで、例えば、中国と台湾が軍事衝突した時に、アメリカの軍隊が台湾を助けに行けなくなります。
南沙諸島の問題
中国の野望② 台湾を自分のものにする
中国は、台湾への圧力を強めており、世界一を目指す中で、台湾を完全に自分のものとしようと動き出しつつあります。
台湾が独立するようなことになれば、他の地域に飛び火してしまうのではないかと中国は恐れています。
台湾の歴史
・台湾は第二次世界大戦中には日本の植民地だった。
・蒋介石 :ニ・ニハ事件
・李登輝:二大政党制、直接選挙
中国の抱える諸問題
上記で挙げた台湾、尖閣諸島など以外にも中国は、国内外で多くの問題を抱えています。
大国にとって、主体文化、主体民族とは違う勢力によって国家の統合が脅かされるという懸念や恐れはつきものです。現在の中国の中央権力にとっての脅威は、チベットと新疆ウイグルです。
いずれも独立国をもった歴史があり、固有の文化・宗教でアイデンティティが形成されており、北京からは遠い辺境にある。
ほとんど宗教心をもたない漢人と違ってチベットではチベット仏教、新疆ではイスラム教が主体宗教であることも隔たりを生む要因となっています。
新疆ウイグル地区
分離独立を求めるウイグル人に対して、中国当局が人権弾圧を強めています。
香港
かつてイギリスに支配が続いた香港は1997年に中国へ返還されています。
その際に、以後50年年間「一国二制度」が維持されることが約束されてきましたが、中国当局の影響力がかなり強くなっています。
2020年には、中国共産党が香港国家安全維持法を成立させたことで関係には緊張がはしっています。
第二次大戦以降の中国の歴史
共和党と国民党が2つの国をつくった
・第二次世界大戦後に、共産党が中華人民共和国(中国)をつくり、国民党は、台湾へ移り中華民国をつくった。
「毛沢東」時代
・建国の父
・大躍進政策 :農業から製鉄へ移行
・文化大革命 :紅衛兵(学生)
「鄧小平」時代
・改革開放 :1990年代に「社会主義市場経済」 韜光養晦策
中国は貧しさから脱却するため、社会主義なのに自由に稼いでいいというルールを作り、実行に移した。
・天安門事件
・北京オリンピック
・BATH
「習近平」時代
・サイバーポリス
・国民総監視
・中進国の罠:賃金が高く
・少子高齢化:「一人っ子政策」の失敗
今日のまとめ
今回は、中国の近現代史についてまとめてみました。
池上彰さんは著書の中で、こんな言葉を残しています。まずは知識を得て、体系的に理解することが必要です。
知識を得ることは、画像の解像度が高まることに似ています。ひとつひとつのニュースは点でしかありませんが、視点を世界に広げることで、それは線になり、さらに歴史から見ることで、面に拡大していきます。
地理から歴史からニュースを見ることで、点だったニュースが面の一部として理解できるようになる。知識を得るごとに解像度が増し、世界の見え方はどんどん鮮明になります。
『20歳の自分に教えたい現代史のきほん』:池上彰