世界的ベストセラーとなった『ライフ・シフト』は、一言でいうならば「100年時代の人生戦略」について書かれています。
医療の発展、長寿化の進行により、100年以上生きる時代に突入します。そして、これまでの世代が過ごしたような「教育→仕事→引退」という人生から、めまぐるしく変化がおこる「マルチステージ」の人生へと様変わりしていきます。
しかも機械化やAIの発達などが急速に進む社会においては、労働環境も大きく変わります。そんな中で、どのように人々は生きていくべきかが問われているのです。
著書の中で、新たな時代を生きるために必要な3つの「無形資産」を挙げています。
今回は、その3つの無形資産について、詳しく見ながら、自分自身がどのように生きていくべきかを考えていきたいと思います。
3つの「無形資産」
これまではお金、株式、不動産といった「有形資産」に重きが置かれていたが、これからの時代には、3つの「無形資産」が大切になると言います。
その3つが、①生産性資産、②活力資産、③変身資産です。
1.生産性資産
生産性資産とは、所得やキャリアの形成に役立つ資産を指します。
職場で長年培ってきた経験やスキルが代表的なものですが、それだけでは長い労働期間を過ごすことは難しくなっています。そのためにも、新たな知識をたえず身につけていくことが求められていると言えます。
仲間との関係
学ぶことによって、思考の柔軟性や敏捷性などの汎用スキルが得られます。
個人のスキルだけでなく、周囲との人間関係も生産性を向上させるためには非常に大切な要素です。
良好な人間関係を気づいた結果として、評判という見えない資産が価値を持つようになります。
2.活力資産
活力資産とは、肉体的・精神的な健康と幸福のことを指しており、健康、友人関係、パートナーや家族との良好な関係が該当します。
活力資産を維持していくためには、ストレスの要因や健康を害する行動をコントロールする必要があります。
家族や友人との関係
家族や知人との関係性もおろそかにしたり、放置したりすれば、価値が減少することは想像できます。
家族や親しい友人といった極めて近しい人との良好な関係を築き上げることは、自分の人生を豊かにする方法の一つです。
世界的ベストセラーの「7つの習慣」でも、仕事以外の全ての事項をバランスよく見えることが大切だと繰り返し言っています。
本当に効果的に人生を営む人というのは、自分のものの見方の限界を認め、他の人のパラダイムと考え方に接することによって得られる、豊かな資源を活用する謙虚さをもっている人である。
出典:「7つの習慣」
3.変身資産
上の2つの資産については、イメージがつきやすいと思いますが、最も特徴的なのがこの「変身資産」であると言えます。
100年時代を生きるためには、色々なステージを経験することになります。その際に、現状を変えるための力、それこそが「変身資産」です。
まず、挙げているのは「自分について深く知ること」です。自己認知とも言えるでしょう。
自己認知とは、自分がこれまで何をしてきたのか、これから何をしていくのかを考えることに他なりません。今後ますます自分自身に問う力が必要になってきます。
なぜ自分自身を深く知ることが大切なのかは、社会派ブロガーちきりんの言葉を借りるなら、「どんな人生がもっともよい人生なのか?という問いに正解がないから」です。
「正解のない問題」について自分の意見が明確にできなければ、自分オリジナルな人生を作っていくことはできません。どこに住み、誰となにをしてくらし、なにに時間とお金とエネルギーをそそいでいくのか。ひとりひとりの人生は、そういった正解のない問題への答え(選択肢)によって形成されていくのです。
出典:「自分の意見で生きていこう」ちきりん
単に世間の情報を得るだけでなく、自己認知と世界に対する見方を変更することに恐れないことが大切です。
多様性のあるネットワーク(=ゆるいつながり)
新しい仕事の紹介が "ウィークタイズ = 弱い絆" からもたらされることが多いように、人生の変化はたいてい今までとは違う人間関係によって引き起こされます。
私は”ゆるいつながり”が大事だと常々感じているので、いろんな価値観にふれることが変化を受け入れる土台にもなるように思います。
選択肢をできるだけ多く持っておくことが、自分の人生を豊かにする助けになります。
今日のまとめ
「ライフシフト」を改めて読みなおしました。出版後5年以上が経ちますが、本で主張されていることは現実の社会でもはっきりと表れている部分も多く、今読んでも改めて気づくことが多々ありました。
近年の世界的なベストセラーでもあるので、前提となる100年時代に突入する話も含めてたまに思い出したいです。
▼あわせて見たい
人気YouTuberのサラタメさんの解説もおススメです。
サラタメさん自身がライフシフトに多大な影響を受けたと公言しています。その上で、100年時代を考えた時に、サラリーマンとして取りうる最良の選択肢は「ワークライフバランス」だと結論づけています。非常に興味深いです。
【世界的ベストセラー】LIFE SHIFT(ライフシフト)|人生100年時代のサラリーマン生存戦略
▼あわせて読みたい