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【銀行業務検定】「財務3級」直前整理をさらに詳しく解説してみました。(後半戦)

2021年11月25日

銀行に入ると試験をかなり受験するようになりますが、その入り口となるのがこの銀行業務検定の財務3級です。

銀行業務検定 → 銀行業務検定 難易度・勉強法をまとめました

今日は、財務3級を受けるにあたり、前半戦につづいて後半戦(財務分析編)を行っていきます。

直前整理の不明点を解消します

財務の勉強法でも書いた通り、60点の合格点をとるだけであれば、それほど難しいものではありません。

しかし、銀行の基礎となる財務を勉強するのであれば、ちゃんとした知識を身につけたいものです。

44.資本利益率

資本利益率(ROA)は、投下された資本を事業に活用することで、どれだけの利益を上げられたかを示す指標です。

下の図のような、PL(損益計算書)とBS(貸借対照表)をイメージして、PLの何とBSの何を比較しているかをちゃんと把握できれば簡単にわかります。

45.売上高利益率

総合的な収益性の指標である総資本経常利益率は、分解することができます。

2つに分解することによって、要因が、①利益率にあるのか、②回転率(効率)にあるかのかを検討することが出来ます。

46.回転率と回転期間

総資本回転率とは、一定期間の売上高をあげるために、総資本が何回転したかを示す指標です。投下資本の運用効率をしめしており、回転数が高いほど運用効率が良いといえます。

47.回転期間の検討

回転期間は、売上債権(売掛金)、棚卸資産などの各要素に分解することでさらに深い分析が可能となります。

・売上債権回転期間(月)=売上債権÷月商
・棚卸資産回転期間(月)=棚卸資産÷月商
・固定資産回転期間(月)=固定資産÷月商

テストではあまり重要でないかもしれませんが、実務ではこれらの指標を①過去と比較、②同業他社との比較することにより、長期化の要因を分析し、資産の不良化などの確認を行います。

48.ROEと配当性向

ROE(Return on Equity)は、会社の自己資本に対する当期純利益の割合で、株式投資などでもよく参考にされる指標です。

ROE(%)=当期純利益 ÷ (純資産 - 新株予約権)×100 という算式で算出されます。

一般的には、ROEを算出する際には、新株予約権はあまり考慮されてません。新株予約権とは、将来いくらで株を変えるという権利です。その権利だけを売って、お金を貰った時に計上するのがこの新株予約権という勘定科目です。

この辺りも少し深掘りが必要です。

「新株予約権を株主資本に計上しない理由」については、次の通りです。

新株予約権は、 返済義務のある負債ではない 。 したがって、負債の部に表示することは適当ではないため、純資産の部に記載される。ただし、 株主とは異なる新株予約権者との直接的な取引 によるものなので、株主に帰属する株主資本とは区別される。

新株予約権・少数株主持分を株主資本に計上しない理由

ちなみに、「59.資金調達方法のバランスの分析」で出てくる自己資本比率も同様の考え方から、「自己資本=純資産 ‐ 新株予約権 」と定義しています。

49.売上高経常利益率の分析

総資本経常利益率 = 売上高経常利益率 × 総資本回転率 

企業の総合的な収益性をしめす総資本経常利益率を表す数式は上記の通りですが、「売上総利益」や「営業利益」の売上に対する割合を確認することでさらに検討することができます。

変動損益計算書の分析

50.損益分岐点分析

紹介した動画は、損益分岐点売上高の説明が非常にわかりやすいですね。損益がちゃんとイメージできるようにしてください。

利益(黒字) 実際の売上高 > 損益分岐点売上高

利益ゼロ   実際の売上高 = 損益分岐点売上高

損失(赤字) 実際の売上高 < 損益分岐点売上高

数学的アプローチで算出する方法もあります

ポイントは、計算方法が2通りあるところです。

①公式を使って解く → 損益分岐点=固定費 ÷(1-変動比率)

②数学的アプローチで解く → X(売上)=変動費+固定費

「②数学的アプローチ」は財務3級の参考書には載っていないですが、簿記の勉強ではよく使われるので、人によっては②の方がわかりやすいと思います。「数学的」というと難しいそうですが、むしろ変動損益をイメージして「算数」で答えを出していくので、実は簡単です。

損益分岐点分析は、「CVP分析」とも呼ばれます

「損益分岐点分析」は、生産量や売上高(Volume)の変化に伴う利益(Profit)と費用(Cost)の変化に関する分析手法のことで、頭文字をとって「CVP分析」とも呼ばれ、利益計画、予算編成、意思決定などに用います。

この財務3級では、CVP分析の表現は出てこないですが、簿記や中小企業診断士の試験ではこちらでもよく呼ばれます。

損益をシンプルにした形ですが、考え方はちゃんと覚える必要があります。

51.安全余裕率

出典:損益分岐点分析とは?経営分析の基礎を知ろう!

経営安全率は、現在の売上高のうち、現在の売上が損益分岐点売上高に対してどの程度余裕があるかを知ることができる指標です。安全余裕率とも呼ばれます。

「 経営安全率=(売上高ー損益分岐点売上高)÷売上高 × 100」 という式で表されます。

経営安全率が高い → 安定性が高い

経営安全率が低い → 安定性が低い(マイナスならば赤字

上記の表のように、実際の売上高と損益分岐点の距離を知るための指標、と考えていただくとよりイメージが描きやすいかと思います。

52.目標利益達成のための売上高の算出

「50.損益分岐点分析」の延長になるので、「数学的アプローチで解く方法」で計算していくと、難なく理解できます。

53.利益増減分析

利益増減分析は、収益性分析の一つです。

利益が増加している場合に、要因が①売上の増加によるのか、②原価・費用の低減によるのかを確認します。

さらには、その売上増加の要因を、①販売数量の増減、②売上単価の増減にわけて分析することができます。

54.生産性と付加価値

生産性分析は、企業が「ヒト」「モノ」「カネ」といった生産要素(インプット)をいかに有効に利用して、生産(アウトプット)を行ったかという生産要素の有効利用を分析するものです。

付加価値額は、企業が新しく生み出した価値の額のことをいいます。

付加価値額=経常利益+人件費+賃借料+金融費用+租税公課+減価償却費

55.労働生産性

労働生産性は、従業員1人当たりの付加価値額として算出される指標です。

売上総資本利益率と同様に、分解することで要因をより深く分析することができます。

56.労働分配率

労働分配率は、企業の付加価値額のうち、労働(人件費)にどの程度分配されたかを示します。

企業は生産性を高めることで付加価値を高め、一定の労働分配率の範囲内で、高水準の給与を支払っていくことが望ましいです。

57.資金の運用・調達バランスの分析(1)

安全性分析は、企業の財務の安定性や支払い能力、資金繰りを分析する手法です。

安全性分析には、①決算書の貸借対照表による分析と、②資金繰り状況の分析があります。

短期的なバランス分析で、よく利用されるのが流動比率です。

流動比率(%)=流動資産÷流動負債×100

つまり、1年以内に支払期限が到来する流動負債に対して、支払い手段となる流動資産がどの程度あるかを示すものです。

58.資金の運用・調達バランスの分析(2)

流動比率以外で短期的な指標として利用されるものが当座比率です。

当座比率(%)=当座資産÷流動負債×100

長期的な指標としては、固定比率や固定長期比率が挙げられます

・固定比率(%)=固定資産÷自己資本×100

・固定長期適合率(%)=固定資産÷(自己資本+固定負債)×100

59.資金調達方法のバランスの分析

自己資本比率は、総資本に占める自己の資本の割合を示し、長期的な安全性を測ります。

自己資本比率(%)=自己事本÷総資本×100

自己資本が高いことは、過去からの利益が積み重なっていることを示し、安全性が高いと言えます。

実務でも、企業を判断する上でもよく利用されます。

60.資金運用の仕組み

資産運用表は、資金繰りを分析するための資金表です。

・前期と当期の2機関の貸借対照表を比較
・「固定資金」「運転資金」「財務資金」の3つに分類します。

61.資金運用表の分析

固定資産の調達として、減価償却費が計上されます。

減価償却は、固定資産の取得原価を期間に分配したものであり、現金支出とは直接関係のない費用(非現金支出費用)です。

62.資金移動表

資金移動表は、「経常収支」「固定収支」「財務収支」の3つに区分されます。

実務でも、経常収支比率がプラスであるかどうかは、企業の実態的を把握する上でも特に重視されます。

63.資金繰表

資金繰表は、一定期間における現金収支の動きを分類経常するものです。

企業の資金管理の内部資料とも言えるものですが、業績悪化先などで資金繰りを把握する際に提出を求めることが多々あります。

64.運転資金の所要額

運転資金とは、通常の営業活動において必要となる資金のことです。

・運転資金所要額 = 売上債権(売掛金・受取手形)+ 棚卸資産 - 仕入債務(買掛金・支払手形)

また、運転資金の額は、回転期間を使用して示すこともできます。

・運転資金所要額 = 平均月商 ×(売掛債権回転期間 + 棚卸資産回転期間 - 仕入債務回転期間)

65.手形割引限度額の算出

売上債権の平均回収期間の算出は、下記の通りにできます。

・売上代金の平均回収期間 = 売掛金の平均滞留期間(①) + 受取手形の平均滞留期間(②)

①売掛金の平均滞留期間 = (売掛期間最長)+(売掛期間最短)÷2

②受取手形の平均滞留期間 = 手形回収割合 × 手形サイト

手形割引限度額は、取引先ごとに金融機関が設定した手形割引残高の上限額です。

・受取手形の平均残高=平均月商 × 手形回収割合 × 手形サイト

66.設備借入金の返済原資

固定資産は長期にわたって固定化される資金投資であるため、拐取には長期間を要します。

そのため設備投資に必要な資金を長期借入金によって調達する場合、返済財源が確保されているかの確認が必要になります。

・長期借入金の返済原資 = 留保利益(当期純利益 ー 社外流出)+ 減価償却費 - 既存長期借入金返済額

67.キャッシュフロー計算書の構造

キャッシュフロー計算書は、一定期間の資金の動きを表しますが、「現金および現金同等物」に限定しています。

現金には、手許現金だけでなく、当座預金、普通預金などの要求払預金がふくまれます。

また、現金同等物は、容易に換金可能であり、変動が少ない短期投資を表します。具体的には、取得日から満期まで3か月以内の定期預金、CP、公社債投資信託が含まれます。

キャッシュフロー計算書は、①営業活動、②投資活動、③財務活動によるキャッシュフローと、3つに区分されます。

68.営業活動キャッシュ・フロー(1)

営業活動によるキャッシュフローの表示方法には、直接法と関節法の2つの表示方法があります。

直接法は、営業収入、原材料・商品の仕入支出など主要な取引ごとに収集総額と支出総額を表示する方法です。

69.営業活動キャッシュ・フロー(2)

間接法は、「税引前当期純利益」から必要な調整項目を加減算してして営業のキャッシュフローを表示する方法です。

①非資金項目の修正

減価償却費や貸倒引当金繰入額は、資金支出を伴わないため項目を加算します。

②発生主義から現金主義への修正

受取利息や支払利息は未収や未払いなどを調整した金額であるため、対象期間の実際の現金の動きとは異なります。

そのため、税引前当期純利益からいったん受取利息・配当金を控除した上で、「小計」の下で、あらためて現金主義による「利息及び配当金の受取額」や「利息の支払額」を計上します。

③営業活動による資産・負債の調整

売上債権の増減額を加減算して、現金主義ベースへと調整を行います。

70.金利負担額の分析

出典:インタレスト・カバレッジ・レシオ|意味・計算方法

「インタレスト・カバレッジ・レシオ」とは、金融費用(利息)の支払い能力を表す指標です。

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)=(営業利益+受取利息+受取配当金)÷ 支払利息

表面上の数だけを追ってしまうと理解が深まらないですが、上の表のように損益計算書の並びをイメージできると判りやすいと思います。

そうすれば、計算式には、なぜ経常利益でなく営業利益があるのか、なぜ受取配当金は入らないことがはっきりします。

今日のまとめ

財務3級の解説について、前半戦の作成からだいぶ時間がかかりましたが、後半戦もまとめてみました。

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