とにかく熱量が凄かった! 90分でしたが、あっという間に終わりました。
地元の金融機関が主催する経営者向けに行った、伊藤羊一さんの講演を聞いてきました。
伊藤羊一さんは、「1分で話せ」「0秒で動け」のベストセラーの著者であり、現在はYahoo!アカデミア学長も務められています。私も著書を読んでいたので、すごく楽しみにしてました。
現在の緊急事態宣言もあり、残念ながらオンライン形式になりましたが、それでも熱い思いはヒシヒシと伝わってきました。
今回はその熱い様子を書いていきます。
目次
Lead the self
リーダーシップとは
伊藤さんはまず、「リーダーシップとは何か」との問いを投げかけます。
その問いに対しての答えは、タイトルにもあるように「Lead the self」つまり、「自らを導く」ことでした。
人は普段の生活が忙しくて、それなりに生活も出来ていると、意外と自分自身のことを深く考えることはしません。
伊藤さんも人材教育を行う中で、受講者に自分を見つめ直していく課題を出すと「自分のことをほとんど考えていないかを知った」とみんな口々に答えるといいます。
自分がどこから来て、どこに行きたいのかわからず漠然と生きているのは、羅針盤がない船のようだとも言っています。
自分で自分自身をドライブしよう
ここでの「ドライブ」は、英語でよく目にする「活発にする、駆り立てる」といった意味で使われています。
自分の価値観が何なのかを知ることは、自分が生きる上で羅針盤になります。
人それぞれに、これまで生きてきた道が違うからこそ、価値感が異なるのです。だからこそ、自分自身の過去を振り返ることが大切だと言います。
伊藤さんの経験の中でも、銀行員時代にうつ状態になった後で、周りの助けを借りて復活できたことが語られました。
復活のきっかけとなったマンション案件の融資を手掛けた際に、マンションに住む人が行きかうさまを見て、涙があふれて止まらなかった様子を伝えてました。
それについて「お客様の先の、お客様を見る」ことが大事であること言っていて、強く共感しました。
リーダーの仕事は、意思決定をすること
意思を決めること
プラス時代に東日本大震災後の直後の活動、数年後に物流センターを開設した話もありました。
震災後の混乱期の中でリーダーの役割は、「意思決定すること」だと強く思ったそうです。
普段の生活では、選択肢はいくつもあり、その中で優先順位を決めていきます。しかし、緊急時では「こっちを選ぶことは、ひとつを捨てること」だと言っています。
そのあたりは、緊急時の医療現場で救う命を順番を決める「トリアージ」で(Wikipedia参照)に近いと聞いていて感じました。
ではリーダーはその決断は何で出来決めるのか?
それこそ、リーダーのこれまで積み重ねてきた「信念・使命感・譲れない思い」であると断言しています。
伊藤さんが震災直後にすぐに決断や行動に移せた背景には、阪神大震災時にダイエーの中内功社長が「スーパーはライフライン」だから「いつもの値段で」という大号令のもとに可能な限りお店をオープンさせた行動(Wikipedia参照)を見聞きして強い印象があったことを挙げています。
有志として被災地にモノをおくるだけでは、実際に必要としている人には届かない。事業として立ち直らせなければならないと感じていたようです。
またそれ以外にも、中越地震の時に自分が何も対応できなかった思いや、Jリーグ「ベガルタ仙台」のサポーター仲間がいたことも、大いに影響があったとのことでした。
リーダーの価値観
独立研究者の山口周さんも著書の中で、「リーダーは日頃から真善美を磨くことが大切だ」と説いてます。さらに、「ありたい姿を意識することが、今後の価値の源泉である」と言っていたことに通じます。
震災などの緊急時や、全く新たな問題が勃発した時など、これまでの経験則だけでは判断ができなくなっているからこそ、リーダー自身の価値観が大きく問われているのでしょう。
成長のサイクルをまわす
過去・現在・未来のつながり
伊藤さんは著書をいくつも書いていますが、うまくいかなかったあの頃の自分に向けて書いているそうです。
なぜなら、自分の生き方を通じて「人は変われる」という思いを持っているからです。きっと今、同じような苦しい思いをする人々に届けるために書いているのですね。
過去の苦しい思いも、現在や未来を変える力になるのならば必ずしもマイナスではないのかもしれません。私の好きな言葉に、遠藤周作のこんな一節があります。
我々の人生で一時的にはマイナスに見えるもの(挫折、病気、失敗)にも必ずプラスとなる可能性があり、その可能性を見つけて具現化さえすれば過去のマイナスもいつかはプラスに転ずる
「生き上手、死に上手」:遠藤周作
成功した過去の自信も、失敗した経験も、今の自分の糧となっているのですね。
過去が現在につながり、現在は未来につながっていきます。
そしてもちろん、現在の積み重ねが未来を作るのです。つまり、いまの「行動」が自分を作っていくのです。
行動と内省で、成長サイクルを回す
さらに、行動した後にうまく出来る人と出来ない人の差を挙げるとすると、それは「内省と対話で振り返る」ことが出来るかどうかだと言います。
そのために、①言語化して、②自分にとっての意味を考える、③気づきを得ること。
自分の行動に対して、振り返って、気がついた過去こそが、自分を成長させる源となるのです。
そして、「行動→振り返り→気づき →再び、行動 」という成長サイクルを回すことが重要だと言っています。
それが出来て初めて、自分を導くこと(Lead the Self)ができ、さらに、人を動かし(Lead the People)、社会を動かすこと(Lead the Society)が出来るようになる、と講演を締められました。
最後に観覧者からの質問に答える形で、伊藤さん自身の振り返り方について述べていました。
日々のルーティーンの中で、日記を書いて行動を振り返り、それを散歩をしながら考える。その後、入浴して、瞑想するとのことでした。
どうやったら感受性を高めることが出来るかを意識しているとのこと。(意外とこういう所に本質があるのではないかと思っています。)
今日のまとめ
講演の途中で「話し方の細かいテクニックにこだわらない。大切なのは熱さだ」と言っていた通り、本当に熱い講演でした!
「1分で話せ」もすごく気づきが多い本でしたが、今回の内容に関連した「1行書くだけ日記」もぜひ読みたいと思いました。
▼ おまけ(伊藤羊一さんご自身に、Twitterで「いいね」 いただきました!)
講演の濃縮版は、Voicy で聞けます。
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